• 無明 長夜

回想


あんまり読むことを推奨しない内容を今回は書きます。

暴力的な内容で、ショッキングな言葉も出ると思います。

そんなものをわざわざかくのは何故かと言われれば、ただ誰かに話したいというだけです。

いい反応が得られるとは思ってもいないし、嫌悪されるかもしれません。

もちろん私なりに言葉は選んで書くつもりですが、

前置きでハードルを上げてるのはそれでも賛否両論ある内容だと思うからです。

それでも読むのであれば、あくまでフィクションだと思って読んでいただければ幸いであります。


このブログを書き始めた頃、私のこれまでの人生について書いたことがある。

そこでは書けていなかったことを少し。今日この場で書いていく。

とある学生が夏に短期アルバイトをしていた。

当時はどうしようもなく自暴自棄で、人生どうでもいいという感覚で迎えた夏。

母に口煩く言われ、渋々とアルバイト求人に電話をしたことから始まった。

募集期限も定員もとうに過ぎていたが、何故だか受け入れてもらえた。

映画の世界でしか見た事がないような、怖い人達と、同じくらいの学生アルバイト達。

そういう奇妙な空間だった。

見た目通りの言動、行動。その暴力性は顔だけではなく、手足が真っ先に動くタイプ。

正直すぐにやめたくなった。

ちょっとだけ背伸びをして染めた微妙な金髪をいつまでも弄られるし。

「中途半端にやるなら坊主にしろ」なんていうのだから。

実際、この人の部下は当時流行のアシンメトリーヘアにしたせいで半分坊主にされた。

(そして次の日に坊主になった)

幸い私はいじられ続けたが無事に乗り越えることができた。

とにかく経験した事がない事ばかり起こる時間で。

不器用だが芯のある、時々めちゃくちゃ深いことをいう不思議な人によって

夕暮れが早くなる時期ににはいろんな意味で私は変わった。

影響を受けやすい年頃のせいか、良くも悪くも尖りきったが、気力に満ち溢れていた。

そこから、数年間、普段のアルバイトが忙しくても、その仕事だけは毎年必ず行くようになった。

言葉はもちろん、飛んでくる岩のような拳も、大木の根のような脚も。

相変わらず強烈ではあるが、本人なりに加減していて、それが怪我になるようなことはなかった。

飴と鞭による洗脳だと言えば聞こえは悪いが。

今考えても間違ったことは言わない人だったし、めちゃくちゃに見えてバランス取るのが上手いなあといつも思っていた。

いい思い出話はいくらでもあるが、あまりそこを語っても虚しいだけなのでこの辺にしておこう。

何年か経った今日くらいのある日、

気分良く行きつけの店で酒を飲んで夏の思い出話みたいなのを誰かとしていた。

話していると、当時が懐かしくなって記憶を頼りにブログとか(人が書いたもの)を探してみようとした。

真っ先に事件の記事が表示されて、なんでも人が死んだとかどうたら。

心臓がバクバクして、手が震えた。

確実に酒のせいではなく、動揺して、汗が頬に伝うくらいに激しく色んな感情が湧いた。

見知った場所と、その脇に映る犯人の写真と名前に、全部心当たりがあった。

理解が追い付かずに、横で喋る人の声が遠くなるのを感じた。

少し時間が経つと急に当時の事がフラッシュバックする。

この日のニュースを私は見ていたと思い出す。

ぽっかりと、私はこの年の、これに関する出来事を忘れてしまっていた。

本当に全部忘れていて。同時に全部を思い出した。

偶然にも、私はその年からは行かない事を決めていて、どうしてそう思っていたか思い出せないが。

今年は最後だから、顔だけでも見せに来て欲しい。

と、関係者の先輩からメールがあって、私は返事もしていなかった。

最後、というのは事件と関連なくたまたまであったが、今思うとあまりにもできた話だった。

思い出したその日から、あらゆる記事や情報を調べ、関わりのある人に話を聞こうとした。

確かいかれた人だったが、命に対する考え方やその正義はこんな間違いを起こす人だとは思えず。

何がどうしてだと知ろうと思った。

結果的に、世の中に出回っている程度の情報意外はわからず。

当時の話をたまたま知っていた人から、関わらない方がいい。詮索もしない方がいい。

と言われた。

詮索するな、関わるなという言葉が、如何に問題の闇が深いかを理解させた。

内容は言えないが、当時は色んなところから電話がひっきりなしに来て、

学生時代に知り合いの知り合いだったくらい程度の人間にまで連絡があるほど、裏では大ごとだったと聞いた。

私のかつての恩人は、今日この日も刑務所にいる。

結論から言えば、人を殺めてしまったからだ。

それはいけないことである。

どんな理由があろうとも。

本当にそうなんだろうか。

私はこれまで当たり前だと思っていた感覚に初めて疑問を感じてしまった。

詳細を書けない以上、私が言うことは大丈夫か?と思われることかも知れないが。

そうするしかない状況に立たされた時、私はどう判断するだろうかと、ひたすらに考えた。

この人がしたことはあまりにも残虐で、私を含め色んな人々に悪い影響を与えた。

人生が変わってしまったであろう人も、知る限りだけで何人もいる。

ドラマのように、大切なものを人質にとられた主人公が、誰も傷つけずに解決するなんてことは。

少なくともこのお話にはなかった。

どの道誰かが必ず傷付くような話に正解はなかったのだろうが、私は毎年このくらいの時期になると考えてしまう。

問いかける表現をする私にとって、考えることはワクワクすることだが。

この件に関してだけはずっと憂鬱で。

時折夢に見る。

しかし、本人に問いかけて答えがあった試しはない。

今更本人に直接合わす顔もなければその気もないが、どうにもこの事で植え付けられた問いに、私は答えを出しきれない。

多分永遠に答えはなく、答える気もなく。

どこにぶつけていいかわからない感情を、この場に残す事を許して欲しい。



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