- 無明 長夜
Copy & Paradox
久しぶりにn月の長い夜以外の話を書くような。
今回は今月末に発表、発売予定のアートブック Copy & Paradox について、ネタバレしない程度に軽く書こうかなと思います。
Copy & Paradox ?
今回のアートブックのタイトルであり、メインコンセプトでもあります。
「同じだけど、矛盾。」という解釈をしてもらえれば大体の作品は理解できるんじゃないかと思ってますが。
正解は各々が私の問いかけに対して見つけるものなので、いずれもいつもながら明記はしません。
メインコンセプトとは別に、これまでの表現では写真を主としていたところから、領域をかなり広げました。
開催できなかった個展。「無色轟音」でも同じく、写真作品はほぼない。と言っていましたが。
これとはまた異なる意味で今回も写真の作品は少ないです。
そして、これまで毛嫌いしていた網膜的美術を私なりに取り入れました。
対極となる禍々しいものばかり作った「無色轟音」の作品達とはいつか見比べて頂きたい。
個人的には、今までの中で相当わかりやすい作品達なのではないかと思っていますが。
逆に含みの多さとしてもこれまでよりも多く込めているかもしれません。
1週目にデザインとしてキャプションも読み飛ばす勢いでパラパラとめくり、2週目から1つ1つ考えて頂きたい。
これに限らず。最初と、2週目の印象の変化を私の作品は楽しめるものだと思っています。
何故アートブックなのか
コロナ禍によって、ほとんどのギャラリーが休館に追いやられた今。
私たちアーティストはどうするべきかを考える時間を与えられました。
多くは、オンライン展示という方法や、LIVE配信をするなどの動きがありますが。
これは一見アートを広めているようでもどこか安売りになってしまっているのではと私は考えました。
例えばインスタライブで絵画を描くところを配信するとしましょう。
見る人はいると思いますが、それはインスタグラムというコンテンツを超えないものになってしまいます。
ただでさえ、我々は日常で画面を、スマートフォンを見る時間が非常に長いので
ここに収まる内容から情報として頭にいれる処理はほぼ働かないと私は考えています。
それは日常のルーティーンワークの一環に過ぎずなのです。
だから、そのルーティーンの中でちょっとしたイベントを起こしたところで、アーティストが望んでいたような反響は起こらないのでは。と。
もちろん、既にコレクターに目をつけられていたり、パトロンやファンを多く持つような著名な方々がやるのとでは結果が異なりますが。
折角作品のプロセスやなんかを公開するのに、結局スマホでお手軽どこでも~みたいになってしまうのは
自分の価値もお手軽にしてしまっているようで勿体ないんじゃないでしょうか。
そういった行いは、今よく見かける。アートで人を元気に~みたいなプロジェクトとしては非常にマッチングは良いと思います。
しかし、一度薄利多売したものの価値は簡単に上がりません。
誰かに届けた元気という無形の何かは、そのアーティストに直接還元されないのです。
風が吹けば桶屋は儲かるかも知れません。
でも、桶屋がいつ儲かるかも分からないし。いくら儲かるかも分からないのです。
つまりこれは、アーティストがアーティストとして食って生きていくことを困難にする可能性を高めています。
私はそう思いました。
今はどこの誰かも知らない馬の骨みたいな私ですが。
私は私の価値を安くは見ていないし、安くする気もありません。
だけど今は、私を知ってもらうチャンスであり、
コンセプチュアルアートというものに興味を持ってもらうチャンス。
そう思ったので
利益を度外視して、あえて本という超クローズドな媒体を有料広告として出すことにしました。
自分でも挑戦的だと思います。
前提として、買ってもらわないと見てすらもらえないのですから。
でも、今みんなと同じことをしていたら新しいことなんて起こらないのです。
時代は繰り返しても、それは都度新しいものとして認識されます。
だから今回の取り組みは私にとってはアップデートです。
個展に行くから、オンラインで見る。そしてクローズドなアナログで見る。へ
おわりに
ここまで読んでいただける方は、おそらくこの Copy & Paradox に強く興味をお持ちいただけたのではないでしょうか。
是非、購入いただいた方はSNSでアップして宣伝頂きたい。
切り取って飾るもよし、コラージュするもよし。
撮影の小物にしていただくもよし。
もちろん配るようのまとめ買いも、転売も大歓迎でございます。(売れる保証は致しません。)
ヤフオクメルカリでもバシバシお売りください。
ご近所さんにも配っていただいて結構です。コピー機にかけても面白いですね。
私のわざわざ本にするという。アナログで逆行した行い。
この わざわざ。を楽しんでいただけたなら、ほんの少しだけ私のためにわざわざ広めて頂きたい。
そんな意味も込めて、利益度外視の原価販売をするつもりです。
それではまた